浮気による慰謝料請求を含めて、夫婦問題で慰謝料請求を求める事例は数多くあり、離婚する場合でも、離婚しない場合でも慰謝料についてしっかりと把握することは大事です。
近年では芸能人による不倫や浮気に関するニュースが頻繁に流れているので慰謝料という言葉を耳にすることは多いと思います。
そのため慰謝料ということについて何となく理解している人も多いかと思いますが、そもそも慰謝料とはどのようなものなのでしょうか?
慰謝料は精神的傷への償い金
慰謝料は単純に浮気以外の夫婦トラブルでも請求されることは普通にあり、どちらか一方が相手の心に大きな傷を与えたような場合に、そのことへの償いをこめて支払うのが慰謝料というものになります。
何となく夫婦間での慰謝料請求については「浮気をした場合」と思っている人も多く、他にどんな場合に慰謝料請求できるのかよく知らないという人も多いのではないでしょうか。
近年は芸能人による浮気が毎月のようにクローズアップされているので「慰謝料請求は簡単」と思っている人も多いですが、実際にはハードルは高いです。
ではそもそも夫婦間での慰謝料請求ではどういった場合に認められるのでしょうか?
夫婦間で慰謝料請求が可能な事例と請求できない事例
離婚する際に必ず慰謝料が支払われると思っている人がいますが、実際には違います。
むしろ一般的に慰謝料請求できる機会は少ないと思ったほうがいいです。
慰謝料請求は相手の心の傷に対して償うために支払われるものなので「確実に相手が悪い」というような状況なら慰謝料請求することができますが、一方的に相手が悪い言えるか微妙な場合には請求することはできない場合があります。
では夫婦間ではどういった場合に慰謝料請求でき、どのような場合に慰謝料請求できないのでしょうか?
慰謝料請求できる事例
慰謝料請求できるのは下記のような事例になります。
浮気をされた場合
浮気による慰謝料請求は一番一般的な慰謝料請求理由になり、浮気は裁判で離婚できる「離婚原因」の一つになっているくらいなので、浮気は慰謝料請求の理由としては非常に強い意味を持ちます。
浮気の場合は、浮気をした夫婦どちらかに慰謝料請求できるのはもちろんですが、浮気相手にも慰謝料請求することができるのが大きな特徴です。
浮気については、離婚しない場合でも配偶者や浮気相手に慰謝料請求をすることができ、浮気が原因での離婚の場合は、精神的傷が大きいとみなされ慰謝料が高額になるケースが多いです。
暴力を受けた場合
夫婦間での慰謝料請求で浮気と並んで認められるケースが多いのが、配偶者から暴力を受けたというケースです。
暴力を受けたら夫婦でない場合でも普通に慰謝料が発生するので当然といえば当然ですよね。暴力を受けると精神的ダメージだけでなく肉体的ダメージも負うことになるので慰謝料は請求可能です。
ただ暴力を証明するためには医師からの診断書などの証拠が必要になってくるということは知っておきましょう。
慰謝料請求できない事例
下記のようなケースでの離婚などの場合には慰謝料請求することはできないです。
生活の不一致
日本で一番多い離婚理由はこの「性格の不一致」だとされています。
ただ性格の不一致だけでは、どちらか一方が慰謝料請求が必要なほどのダメージを受けているとは認められないので慰謝料請求はほぼ無理だと思っておくといいです。
飲酒やギャンブルや浪費
飲酒やギャンブルや浪費などによって家計を圧迫して、家族の生活を破綻させるようなことをしたことが原因で離婚する夫婦も多いです。
こういった飲酒やギャンブルや浪費などが原因の場合には「度が過ぎている」ような場合は慰謝料請求できるできる可能性がありますが、そうでない場合だと慰謝料請求は難しいです。
飲酒やギャンブルや浪費に関しては程度によって判断が分かれるので、弁護士と相談して慰謝料請求可能かどうか判断してもらうといいです。
精神障害や生死不明
強度の精神障害を発症している配偶者と一緒にいると、精神的ダメージが大きいので離婚を検討する人も多いかと思います。また生死不明のが3年以上の場合も裁判上で離婚原因になります。
このような場合では配偶者も精神的ダメージを受けるので、一見すると慰謝料請求も可能な感じがしますが、好き好んで本人が精神障害や生死不明状態を選んでいる訳でないです。
そのためこのような理由で慰謝料請求されるのは酷だという判断で認められないようです。
セックスレス
セックスレスによって離婚する夫婦もいますが、それが理由で慰謝料請求できるかというと疑問です。
セックスレスの場合ではどちらか一方に非があり、夫婦共に若い場合には慰謝料請求できる可能性はありますが、どちらが悪いか判断が難しい場合には請求できないと思っていいです。
またセックスレスによる慰謝料請求は立証するのが難しく、あまり高額な慰謝料を請求できないので、くたびれ損になる可能性があります。
浮気による慰謝料の相場金額
浮気による慰謝料については日本ではある程度の相場金額が決まっており、多くの場合には一般的な相場の範囲内で慰謝料が支払われる場合が多いようです。
よく芸能界とかで浮気に関する慰謝料で「数億円」と報道されるケースがありますが、こういったことは非常に稀なケースだと言ってよいと思います。
浮気による慰謝料については、婚姻期間や浮気によって子供ができた等の総合的な事情によって金額は変わってきます。
一般的な慰謝料の相場は下記のようになります。
浮気による慰謝料:100万円~200万円
浮気で離婚する場合の慰謝料:200万円~300万円
よく浮気による慰謝料請求額を「1000万円!」という人がいますが、弁護士同士で話し合ったり調停になったりしたら、最終的には上記の相場金額内で納まるケースがほとんどです。
相場金額を上回る慰謝料を手に入れられるのはかなり珍しいケースだと理解しておくといいです。
ちなみに浮気で離婚する場合には、配偶者に慰謝料請求するだけでなく、浮気相手にも慰謝料請求することができるので、総合金額では上記の金額よりも大きくなると思っていいです。
浮気による慰謝料の時効はいつ
浮気による慰謝料請求はずっと認められるわけではなく、しっかりと時効が決められています。
浮気による慰謝料の時効には2つの規定が定められており、下記の2つのうち、どちらかが満たされた時点で時効成立になります。
・浮気があったときから20年間
・配偶者の浮気および浮気相手を知ってから3年間
「配偶者の浮気および浮気相手を知ってから3年間」については浮気相手を知ってから時間経過が始まるので、「顔は知っているけど、住所や名前は知らない」ということだと、慰謝料請求はほぼ不可能なので、時効期間にはカウントされないです。
浮気による慰謝料請求を考えているなら早めに対応するようにしましょう。
浮気による慰謝料請求方法とは
浮気による慰謝料請求をする場合に、配偶者への慰謝料請求方法は離婚協議や離婚調停、離婚訴訟と一緒に慰謝料請求も行うのが一般的なので問題ないと思います。
ただ浮気相手に慰謝料請求する場合にはどうすればいいのでしょうか?
浮気による離婚を考えている場合には、配偶者にも慰謝料請求すること思うので、その際に弁護士に「浮気相手にも慰謝料請求したい」ということを伝えておけば問題ないです。
一方で、離婚せずに浮気相手にだけ慰謝料請求したいという場合には、直接浮気相手と話し合ったり、内容証明郵便で慰謝料請求することになります。
裁判に訴える場合には地方裁判所に訴訟提起することになるので、弁護士に手続きを依頼するのが一般的です。
しかし浮気相手に慰謝料請求するのはハードルが高く、しっかりと法的に認められた浮気の証拠を見つける必要があります。
浮気の慰謝料請求では証拠集めが重要
浮気による慰謝料請求では単純に「相手が浮気をした!」と主張しただけではまったく意味はなく、しっかりとした証拠を提示する必要があります。
浮気を「した」「しない」を言い合うだけでは単なる水掛け論に終わってしまって慰謝料が認められることはないです。
そのためしっかりと裁判で認められるような証拠を集める必要があります。
しかし単純に証拠といっても簡単に集められるものではないです。
だれが見ても浮気をしていると判断できるような証拠が必要になり、そういった証拠を集めるのは素人では難しいです。
そのため近年は浮気の証拠を集めるために探偵を利用して証拠集めを行う人が多くなってきます。
浮気の証拠を集められれば、浮気による離婚を勝ち取りやすくなり、浮気相手にも慰謝料請求することができるので、探偵費用を十分に上回るだけでの慰謝料を手にすることができます。
当サイトでは浮気の証拠集めに優れている探偵事務所をいくつか載せているのでよかったら参考にしてください。