旦那の浮気で離婚してしまった場合には、妻側が親権を取得することが多いですが、その際に養育費についてしっかりと理解しておかないと後悔する可能性があるので注意が必要です。
養育費は子供を育てるためには必要な費用で、具体的にどれくらいの相場でどの程度の期間支払われるのかということについて、理解が曖昧な人も多いのではないでしょうか。
ではそのそも養育費とはどういったものなのでしょうか?
養育費とは?
養育費は親が子供を育てるために支払うもので、これは親が子供に対して「扶養義務」があるからです。
子供の扶養義務はかなり強力な義務なので、養育費の負担も非常に重要な義務なんですよね。
養育費は旦那の浮気によって離婚して、親権を失ったとしても旦那はしっかりと養育費を支払う必要があり、免除されることはないです。
養育費は食費や医療費、住宅費、教育費、衣服費などの生活や教育に総合的に利用されるものなので、子供の生活に直結されることから簡単に免除されるものではないということです。
そのため養育費は一般的に大学卒業まで支払われることが多いです。
ただ子供が高校卒業後に就職したり、専門学校に入学した場合には、子供が卒業した時点で養育費を支払う義務はなくなります。
自己破産すると養育費は免除されるのか?
浮気によって旦那と離婚する場合もあれば、旦那の金遣いの荒さなどによる経済的な問題で離婚するということもありえると思います。
そこで気になるのが自己破産などの債務整理手続きによって借金を減額したり、免責してもらった場合に養育費はどうなるのかということです。
実際に離婚して別居状態になると、浮気した旦那の方は生活費と浮気による慰謝料によって生活が破綻してしまい、債務整理することは普通に考えられます。
旦那に自己破産されて債務が全て免責されてしまったら養育費も支払われなくなってしまうのではないかと不安に感じるのは当然です。
結論を言うと、自己破産しても養育費は免除されないです。
そもそも養育費って借金ではないので、自己破産等の債務整理をしたからといって支払い負担が軽くなるということはないです。
よく「債務整理したからお金がない」と言って、養育費を払えない言い訳をする人がいますが、養育費はそんなことは関係ないので騙されないようにしましょう。
養育費の相場はどれくらいなの?
養育費の金額は、養育費を支払う旦那の年収と、養育費を受け取る妻の年収、子供の人数や年齢などによって金額は違ってきます。
また旦那が給与所得者なのか自営業なのかによっても金額が変わってきます。
下記で養育費相場の簡単な表を作ってみたのでよかったら参考にしてください。
給与所得者の場合の養育費相場
旦那の年収 | 養育費の相場 |
---|---|
約1000万円 | 8~10万円 |
約800万円 | 6~8万円 |
約600万円 | 4~6万円 |
約400万円 | 2~4万円 |
約200万円 | 1~2万円 |
自営業の場合の養育費相場
旦那の年収 | 養育費の相場 |
---|---|
約750万円 | 8~10万円 |
約600万円 | 6~8万円 |
約450万円 | 4~6万円 |
約300万円 | 2~4万円 |
約150万円 | 1~2万円 |
簡単な子供1人当たり14歳くらいまでの養育費の相場を表にすると上記のような感じになります。
あくまでも簡単な相場表なので、妻の年収などによって金額に差が出てくるということは知っておきましょう。
こうして見るとおおよその慰謝料相場は2万円から6万円くらいだということがわかると思います。
旦那の浮気によって離婚するので慰謝料をもっと上げて欲しいという人もいるかもしれないですが、旦那の収入も考える必要があるので、上記のような相場に落ちつくのが一般的です。
養育費を払いたくない旦那は多い
養育費は子供のために支払われるべきものですが、実際にはきちんと支払われてない場合の方が多いというのが現状です。
最初のうちはしっかりと養育費を支払っていたとしても、しばらくしたら養育費が振り込まれなくなったということは結構多いです。
そこで旦那に連絡しようとしたら音信普通で連絡が取れなくなっていたということはよくあることです。
しかし普通はそんな簡単に養育費の支払から逃れることはできないです。
ではどういった原因で養育費が支払われないのでしょうか?
大きな原因は2つあります。
養育費に関する取り決めが不十分だったため
離婚する場合には色々決めておかなければならないことが多く、養育費に関する取り決めが不十分になることは多いです。
相手が離婚を認めない場合には、離婚請求のために裁判になったり、財産分与や親権獲得のために裁判になることもあります。
そのため離婚では色々なごたごたがあって早く決着を付けたいという思いから養育費に関する取り決めが不十分な状況で離婚をしてしまうケースは普通にあります。
養育費に関しては離婚後にも決めることができるので、後回しにしてしまって、そのまま養育費の取り決めがうやむやになってしまって、旦那と連絡が取れなくなってしまい、養育費についての取り決めができず、養育費を取れなくなってしまったということがあります。
浮気による離婚で冷静ではなかったため
浮気によって旦那と離婚すると、どうしても冷静ではいられないので「一人で子供を育てる」と勢いで言ってしまう場合があります。
こういったことを旦那の前で宣言してしまうと、旦那の方では「じゃあ、養育費の支払は必要ないということだね」と判断してしまう可能性があります。
浮気による離婚の場合だと、旦那の力を借りずに子供を育てたいという気持ちになるのは理解できますが、だからといって養育費をもらわないので子供の権利を放棄するようなものです。
養育費はあなたのためではなく子供のためのものなので、浮気による離婚であったとしてもしっかりと養育費は請求しておいた方がいいです。
実際に勢いで養育費を請求せずに生活が厳しくなって後悔している女性は少なくないです。
養育費は過去にさかのぼって請求することはできないので、離婚の際にしっかりと養育費について取り決めておくことが大事になります。
養育費について決めておくべきこと
養育費はしっかりと旦那に支払ってもらうためにも決めていくべきことはしっかりと決めておく必要があります。
具体的には下記のようなことをしっかりと取り決めておくようにしましょう。
- 養育費の金額
- 支払う期間
- 支払い方法
上記のようなことはしっかりと決めておく必要があります。
養育費の金額については上記で相場表を載せているので参考にしてもらえばいいと思います。また金額については離婚協議で弁護士に相談すればすぐにわかることなので問題ないと思います。
支払う期間は基本的に20歳が一つの基準になりますが、大学進学する場合や高卒で就職する場合もあるので、子供の生活設計に合わせて考えるようにしましょう。
支払い方法については、毎月振り込むというのが一般的ですが、親同士が接点を持ちたくないという場合には一括払いを検討することも考えられます。
特に浮気による離婚の場合には旦那を許せないという妻もいると思うので、一括か毎月払いか話し合って決めるといいです。
養育費を払ってもらえない場合を考えた対策方法
養育費について取り決めたとしても支払ってもらえないと意味がないので、支払ってもらえない場合も考えておく必要があります。
養育費についてはしっかりと手順を踏んで手続きしておけば、支払が滞った場合に、旦那の貯金や給料を差し押さえてもらえる強制執行をしてもらうことが可能です。
具体的には下記のような手続きを経て養育費を決めた場合に強制執行が可能になります。
- 養育費の支払が裁判で決まった場合
- 養育費の支払が調停によって決まった場合
- 公正証書での離婚協議書に養育費の記載がある場合
上記のような法的な場で決まった場合や、公正証書などのしっかりとした書面に内容が残っている場合には、それが証拠になって法的な効果を発揮してくれるので、これに違反したら強制執行してもらえます。
離婚の内容を含めて離婚協議書に養育費について記載しておくのが一番簡単かもしれないですね。
養育費について決めたことはしっかりと書面に残しておくことが大事になります。